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ブラジルで自殺種子(ターミネーター技術)解禁・合法化法案

自殺種子にノー ブラジルで再び、ターミネーター技術(自殺種子)を解禁・合法化する法案が提案され、国際的な批判を浴びています。

 ターミネーター技術(あるいはGenetic Use Restriction Technologies、GURTs)とは種子が発芽する時に自死してしまうように遺伝子組み換えされた種子の技術で、種子を採ることはできるけれども、それを再び、保存して耕作に使うことができなくなります。

 種子を保存し、次の耕作に使う。これは古来、人類が続けてきた農業の基本ですが、遺伝子組み換え企業はこれを毎回耕作するごとに、企業から種子を買わなければならない形に変えようとしてきました。実質、日本でも種採りはほとんど行われなくなっていますが、世界ではまだ多くが伝統的な農業で種採りが行われています。

 この自殺種子はこうした種採りを実質的に無意味化し、種子企業の収益を最大にする技術と言えます。この技術を開発した企業をモンサントが買収したため、モンサントが自社の種子を自殺種子化するという憶測が強まりましたが、1999年、モンサントはそれを否定、一切、開発も商品化も考えていないと表明しました。
 
 もし種子が発芽できなくなる遺伝子が他の種に転移してしまえば、その種の絶滅を招きかねない、種子企業の横暴を許すということで世界的に批判が強まり、2000年の国連生物多様性条約締約国会議(CBD)において実質上のモラトリアム(禁止)が国際的に決められ、それは2006年のCBDの会議で満場一致で確認されます。
 
 しかし、その後、ブラジルでは2007年以降、毎年のように、この技術の解禁を狙った法案が提案され続けており、その中にはまったく商品化を考えていないはずのモンサントの関係者が法案作りに直接関与していることが暴露されています。法案が出されるたびに国際的な非難を浴び、結局、廃案になっていますが、今年もまた出てきました。
 
 しかし、バイオテクノロジー研究者はこのターミネーター技術が遺伝子組み換えの拡散を防ぐ上で有効であると主張しています。つまり、通常の遺伝子組み換えであれば他の種と交雑していく危険がありますが、この遺伝子組み換えは交雑したものは死んでいくので広がらないから安全だというのです。その「安全説」には疑問も存在します。実際の自然界で何を引き起こすかわからず、いったんそうした自然界に危険なものを出してしまえば取り返しがつかなくなる危険が伴います。従来の種子の性格を完全に変えてしまうこの技術には国際的に許可すべきではないというのが現在の世界の了解です。
 
 日本モンサント社のWebサイトでも「モンサント・カンパニーは、現在に至るまで、不稔種子製品の開発・商品化は一度も行なっておりません。多くの零細な農業生産者が抱いている懸念を共有し、モンサント・カンパニーは、食用作物における不稔種子技術の商品化は行なわないと、1999年に公約しました。弊社は、この公約を堅持しています。この公約に反するいかなる計画、研究もありません。」と言っている技術を解禁する法案がどうして出されるのか、理解に苦しみます(今回の法案提出ではモンサントがどう直接関与しているか、明確なことはわかりません)。

 生態系を危険な遺伝子組み換えから守るため、そして世界の農民の種子権利を守るためにもこうした国際公約を破る法案は廃案にすべきです。

 今回のブラジルでの法案はPMDBという地主勢力の影響の強い中道保守政党の下院議員Alceu Moreiraの提案(法案1117-2015法案)で、今週中に下院の農業・牧畜・供給・地方開発委員会で投票にかけられる可能性が高いと言われています(その後、下院本会議、上院委員会、上院本会議、大統領署名と続く)。議会内ではアグリビジネスの影響力がひじょうに強く、法案が可決されてしまう危惧が高く、ブラジルの市民組織はこの法案に対して反対するオンライン署名を集めています。

 ポルトガル語ですが、名前とメールアドレスを入れるだけで署名可能です。

 ぜひご参加ください。
自殺種子にノーを言おう。ブラジルの1117/2015法案に反対(元268/2007法案)
Diga não aos exterminadores de sementes! Contra o Projeto de Lei 1117/2015 no Brasil (antes, PL 268/2007)

参考資料
 自殺種子に関するTweet(2010年〜)

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